1974 年 1974 巻 5 号 p. 977-980
ポリメタクリル酸(PMAA)水溶液とそれぞれ鎖長の異なるポリエチレンイミン(PI)水溶液を混合した系の電位差と粘度を測定し,生成するコンプレックスの安定性とPI群長を関連させた考察から両者の協同的相互作用を検討した。
PIによるPMAA水溶液のpH滴定曲線はPI鎖長の増加にともなって勾配が緩くなるので,両者の相互作用力はPI鎖長が大きいほど強くなることが理解された。さらに過剰PI添加系の粘度挙動はPI鎖長により特徴ある変化を示し,生成コンプレックスの安定性はPI鎖長と密接に関係する。またコンプレックス溶液の粘度は経時的に減少する。これは生成コンプレックスが非平衡状態にあることを意味するが,この現象においてもPI鎖長,すなわち結合部の協同性がヌンプレックスの安定化に強く影響することを認めた。
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