日本化学会誌(化学と工業化学)
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プラスチックを原料とする活性炭の製造とその比表面積
北川 浩
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1974 年 1974 巻 7 号 p. 1336-1341

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抄録

ポリ塩化ビニル(PVC),尿素樹脂,メラミン樹脂,フラン樹脂,サッカロース,木炭を原料としていろいろの条件で活性炭を製造し,その比表面積を測定した。活性炭の製造条件は炭化温度450~700℃,賦活温度750~1000℃,賦活時間0.3~18hrである。
水蒸気賦活時の炭素の重量減少速度は,木炭については炭素の重量に関して0次であり,そのほかの炭化物については炭素の重量に関して1次であった。
添加剤を含まないPVC粉末,硬質PVCパイプを窒素気流中で炭化した炭化物からは活性炭を製造することができなかった。一方,PVC粉末にステアリン酸亜鉛を5wt%加えたものは温度350~500℃で溶融せず,これを600℃で炭化した炭化物からは比表面積がおよそ2000 m2/gの活性炭を製造することができた。また,硬質PVCパイプを温度200~320℃で空気を流しながら脱塩酸して得られた炭化物を水蒸気賦活することによって,最大570m2/gの比表面積を有する活性炭を製造することができた。
尿素樹脂,メラミン樹脂,フラン樹脂から製造した活性炭の比表面積は最大,それぞれ1300,800,2200 m2/gであった。

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