日本化学会誌(化学と工業化学)
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NaPO3-WO3系およびNaPO3-Na2WO4系加熱生成物
渡辺 誠
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1974 年 1974 巻 8 号 p. 1412-1416

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抄録

NaPO3ガラスと三酸化タングステンあるいはタングステン酸ナトリウムをP/W比が0 3~300で混合し,1000Cで加熱しさらに急冷することによってガラス状物質を得た。この加熱生成物のIRスペクル,.ペーパーグロマトグラフ法によるリン酸塩の分離定量およびpH滴定法によるポ1リン酸塩の平均鎖長の測定の結果から,生成物中にP-O-W結合が存在すると推定したeまたNaPO8rWOsおよびNaPOs-Na2WO4両系とも900 cm i付近の幅広な吸収がP-O-W伸縮振動による吸収と推定される。またタングステン原子を中心にして,P-O-WおよびW-O結合のあるいろいろの化学構造を 考え,これから計算される縮合リソ酸塩の平均鎖長とpH滴定法から求めた加熱生成物中の縮合リソ酸塩の平均鎖長の測定値を比較したところ,WOa(OP 2,WO2(OP)sまたはWO2(OP))4の結合形式が実験結果をもっともよく説明しうるものであることがわかった。

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