日本化学会誌(化学と工業化学)
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合成ドーソナイトの加熱処理による性状の変化
金 炳慮石川 平七
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1974 年 1974 巻 8 号 p. 1417-1420

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抄録

合成ドーソナイトの加熱処理による性状の変化についてDTA, TG, X線回折,赤外吸収スペクトル,比重,比表面積,二酸化硫黄の吸着などによって研究を行なった。合成ドーソナイト中の二酸化炭素は加熱処理によって徐々に分解し,その結晶構造は崩れる。360C焼成では二酸化炭素は完全に散逸しアルミン酸ナトリウムゲル(NaAIO(OH)2)になる。合成ドーソナイト中の二酸化炭素と結晶水は650 C焼成によって分解し吸湿性の強いアルミン酸ナトリウム(NaA102)になる。このアルミン酸ナトリウN800 C焼成以下ではB-NaA102であるが,800C以上ではr-NaA102である。合成ドーソナイトは難水溶性であるが,焼成温度が高くなるほど加水分解しやすくなり,その加熱処理物は加水分解よりアルミン酸ナトリウム溶液と残留物として擬べ一マイトまたはバイアライトを生成する。4000Cまでの焼成物における二酸化硫黄の吸着は合成ドーソナイト中の二酸化炭素が除去されるほど大きく,その吸着は300C以上の焼成物では化学的吸着が主になる。

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