日本化学会誌(化学と工業化学)
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グルクロン酸ナトリウムおよびグルコサミン塩酸塩の水溶液の活量係数
上平 初穂上平 恒
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1975 年 1975 巻 12 号 p. 2054-2059

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抄録

グルクロン酸ナトリウム(NaGlcA)およびグルコサミン塩酸塩(GlcNH3Cl)の水溶液中の活量係数を,等蒸気圧法によって25℃で測定した。両者の活量係数は濃度とともに減少するが,GlcNH3Clでは1.3mol/l付近に最小値をとる傾向を示したのに対し,NaGlcAでは測定した全濃度範囲(~1.5mol/l)で活量係数が減少した。25℃における比重の測定から,無限希釈における部分分子容を求めた。これらは,NaGlcAおよびGlc1寸H3Clに対してそれぞれ,94.4および131(ml/mol)であった。NaGlcAと尿素と水の三成分系におけるNaGlcAの活量係数は,尿素によって減少した。その減少量は,尿素濃度の高いほど大きいが,NaGlcAの濃度が高くなると尿素による減少の程度が小さくなった。また,尿素の活量係数もNaGlcAにょって減少したが,減少の程度は尿素濃度に強く依存した,水から5m尿素溶液へNaGlcAが移動するさいの自由エネルギー変化の値は,NaGlcAが無限希釈の場合には-360(J/mol),NaGlcAが1mの場合は+140(J/mol)であった。

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