日本化学会誌(化学と工業化学)
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スピロ[2H-1-ベンゾピラン-2,3'-フタリド]誘導体の反応
佐藤 幸蔵岡崎 光雄
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1975 年 1975 巻 12 号 p. 2150-2153

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抄録

スピロ[2H-1-ベンゾピラン-2,3'-フタリド]誘導体[1]と酸,アルカリおよびヒドラジン類との反応を検討した。[1]は酸の存在下ではラクトン環の開いた2'-カルボキシフラビリウム塩と平衡にあり,その平衡は[1]の置換基に大きく依存することがわかった。
[1]に電子供与基を導入すると開環は容易となり,その傾向はジメチルアミノ誘体の場合にとくに顕著で,酢酸などの弱酸によってもきわめて容易に開環する。[1]はアルカリ水溶液により容易に開環して2-ヒドロキシ-2'-カルボキシカルコンとなり,さらにカルコンは2-アセチル安息香酸とサリチルアルデヒドとに加水分解される。また[1]とヒドラジン類との反応では相当する環状ヒドラジド,スピロ[2H-1-ベンゾピラン-2,1'-テトラヒドロフタラジン]4-オン誘導体が得られた。

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