1975 年 1975 巻 12 号 p. 2233-2237
家蚕絹フィブロインとNi(II)イオンの錯生成を種々のpH,八丁肌(反応種のモル比)で行ない,その二次構造を調べた。pH9以下ではNi(III)イオンの存在でゲル化が起こる。このゲルの赤外吸収スペクトルとX線回折からクロスβ構造を有することがわかった。さらにpH10以上にするとNi(N4)平面キレート構造を含む分子内錯体が生成した。このときフィプロィン溶液の粘度は低下した。この溶液を透析して,ポリエチレンフィルム上でフィルムとした。このフィルムはランダムコィル構造を有することがX線回折によって示された。
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