1975 年 1975 巻 12 号 p. 2229-2232
エチレンジアミンおよびエチレンジアミンーテトラヒドロフラン中でのポリ塩化ビニル(PVC)のチオエーテル化反慈と塩化5-ブチル,1,3-および1,4-ジクロロブタンなどのモデル化合物の反応を比較し,本反応の高分子効果を明らかにした。
PVCのチオエーテル化反応の速度は[PVC]と[チオール]の一次に比例し,塩化5-プチルのそれと大差なかった。
1,3-および1,4-ジクロロブタンのチオエーテル化反応において,最初に生成したチオエーテル基がもう一つの未反応塩素を活性化することから,PVCの塩素も導入されたチオエーテル基によって,たぶんスルポニウム塩の形成のような機構で活性化されると推測され,とくに脂肪族チオエーテル基のこのような隣接基効果は芳香族チオエーテル基のそれより強いと思われる。
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