日本化学会誌(化学と工業化学)
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アミン存在下におけるエナミノケトンの銅(II)錯体と塩化ベンゾイルとの反応
岡本 勇三杉田 嘉一郎
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1975 年 1975 巻 2 号 p. 350-355

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抄録

ビス(3-アニリノ-1-フェニル-2-プロペン-1-オナト)銅(II)[1a]およびビス(3-アニリノ-1-フェニル-2-ブテン-1-オナト)銅(III)(lb)と塩化ベンゾイルとの反応における共存アミンの影響について検討した。ピリジン存在下,[1a]をベソゼン中で塩化ベンゾイルと50~55℃または還流下に2時間反応させ,C-ベンゾイル化物[2a],N-ベンゾイル化物に相当するベソズアニリド[3]および塩化銅(皿)のアミン付加物[6]を得た。2,6-ジメチルピリジンまたは2,4,6-トリメチルピリジンの存在下では,[2a],[3],[6]のほかに塩素化物[4a]を単離したが,トリ-n-プロピルアミンの場合には,[6]は得られなかった。また[1a]を塩化銅(II)の2,6-ジメチルピリジン付加物[6C]とベンゼンの沸点下で反応させ,[4a]を単離した。[lb]と塩化ベンゾイルとの反応を,ピリジンまたは2,6-ジメチルピリジン共存下に50~55℃で行なった場合は,C-ベンゾイル化物[2b]が高収率で得られた。さらに反応の経時変化を電子スペクトル的に検討し,アミン存在下における[1]のC-ベンゾイル化および塩素化の機構について考察した。

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