日本化学会誌(化学と工業化学)
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アゾカップリング反応における溶媒効果 ―アセチルアセトンおよびイミダゾールの反応―
橋田 洋二藤沼 賢司相川 克明松井 弘次
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1975 年 1975 巻 8 号 p. 1369-1372

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抄録

アセチルアセトンとp-メトキシベンゼンジアゾニウム塩とのアゾカップリング反応を,水,メタノール,ジメチルスルポキシド,N,N-ジメチルホルムアミド,およびアセトニトリルの各溶媒中で,速度論的に検討した。溶媒の酸性度が見かけの速度定数におよぼす影響を検討した結果,それぞれの溶媒中において,アセチルアセトンの解離により生成するカルボアニオンがジアゾニウムイオンと反応することが確かめられた。また溶媒効果については,プロトン性溶媒にくらべ極性非プロトン性溶媒中の方が,いちじるしく反応性に富むことが明らかになった。観測された溶媒効果は,カルボアニオンに対する溶媒和の相違という観点から説開される。
さらにアセチルアセトンの場合と同様アニオンが反応種となるイミダゾールのカップリング反応における反応速度を,いくつかの非水溶媒中で測定した。その結果,溶媒効果はアセチルアセトンの場合とほぼ同様であることがわかった。

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