1976 年 1976 巻 11 号 p. 1745-1749
活性炭に吸着された物質の状態とそれに関与する細孔のようすを調べるために,ヨウ素,p-ニトロフェノール,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびマラカイトグリーンを0.03~0.10g/g吸着した2種類の活性炭にっいて検討した。
窒素吸着法と水銀圧入法によって細孔分布を調べたところ,吸着に関与しているのは半径15A以下の細孔であり,吸着質体積の1.2~2.4倍の空間の占拠されていることが明らかとなった。X線回折測定により,六方晶系黒鉛では現われない(001)散乱線が残存しており,吸着によってこれが消失して行くことが見いだされた。逆に(002)ピークは吸着により増大した。これらの結果から,ミクロ孔にはむ(002)網面が欠落してできた10A前後のスリット状の部分があり,吸着はこれへの配向的充てん過程を含むことが推定された。
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