1976 年 1976 巻 11 号 p. 1750-1754
N,N-ジメチル-p-ニトロソアニリン[1]の典型金属(Al,Mg,Ca)と鉱酸とによるN,N-ジメチル-p-フェニレンジアミソ[2]への還元について検討した結果,高収率で[2]を得るためにはいずれも理論量より多くの金属を要し,幅反応温度が高いときは副生物の生成と[2]の収率低下の傾向が認められた。それぞれの場合について最適の反応条件を検討し,水を媒質とするアルミニウム-塩酸還元では理論量の1.5倍のアルミニウム粉を用いて20℃で反応を行ない収率84%で[2]を得た。硫酸を用いたときは理論量の2倍のアルミニウム粉を使用し収率68%で[2]を得た。水を媒質とするマグネシウム-塩酸による還元では理論量の2倍のマグネシウム粉を用いて20℃で反応を行ない収率81%で[2]を得た。カルシウム-塩酸による還元ではエタノール中60℃で理論値の3倍のカルシウム粒を用いて収率46%で[2]を得たが謝生物も認められた。
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