日本化学会誌(化学と工業化学)
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水酸化ナトリウム-塩化ナトリウム混合電解質溶液の熱拡散
田中 良樹新井 宣夫廣田 鋼蔵
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1976 年 1976 巻 12 号 p. 1805-1807

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抄録

NaOH-NaCl混合溶液の熱拡散分離を測定した。使用した熱拡散管の長さは,65cmで器壁間隔は0.6(A),0.8(B),1.0mm(C)の3種類である。高温部筑=80℃で行なった実験結果はつぎのとおりである。初濃度比R。(NaCl1NaOH)=1の場合,NaOHは定常的には約2,3~5倍に濃縮した。NaClについてはGuthrieの理論から予測されるように,すべての管において異常熱拡散が認められた。管AとBでは上端のNaCI濃度は約6時間で極大を示した。また異常熱拡散はRo<約3,3(管A),R<約4(管B)で観測された。さらにR。>約4の場合でも下端NaClの濃度の減少がみられた。この現象は管の下端の組成から判断して,NaClの異常熱拡散によるものと説明できるであろう。

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