日本化学会誌(化学と工業化学)
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ポリアミン-N-ポリ酢酸-鉛(II)錯体とアルミニウム(III)との置換反応
野崎 亨吉村 博
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1976 年 1976 巻 12 号 p. 1845-1851

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抄録

pH2.4~4.4,過剰の鉛(III)イオンが存在するイオン強度0。1,20°Cの水溶液中で,edta,edtaoh,cydtaおよびdtpaの鉛(II)錯体とアルミニウム(III)との置換反応の初期速度式を求め,各反応径路の全反応速度に対する寄与率を計算した。また,過剰のアルミニウム(III)イオンの存在下で,edta,edtaohおよびcydta系の逆反応についても同様に行なった。edta,edtaohおよびcydta系正反応では解離径路のみにより進行し,逆反応でもほとんど解離径路により進行した。dtpa系正反応では主として解離径路により進行したが,複核径路の寄与も見られた。edtaおよびedtaoh系正反応では,pH上昇とともにAlOH2+のほかにAl(OH)24+の害与が見られ,反応は主としてこれら両化学種によって進行することが判明した。

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