日本化学会誌(化学と工業化学)
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アンモニアによるオゾンの光分解反応
鍵谷 勤武本 勝雄宇山 良公
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1976 年 1976 巻 12 号 p. 1939-1943

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抄録

空気中に含まれる10000PPmのオゾン(03)は,30分間の暗反応を行なってもほとんど分解しないが,NH3を共存させた場合には,暗反応でも約10%の03が分解した。しかしながら,紫外線の照射によって空気中の03の分解が起こり,NH3の添加によっていちじるしく促進された。03とNH3の光反応は,低圧水銀灯あるいは超低圧水銀灯の紫外線を照射したときよりも,高圧水銀灯の紫外線を照射したときの方が促進された。03の分解度はNH3と03のモル比の増加とともに増大し,高圧水銀灯を10分間照射した場合には,モル比がVのときに95%以上の03が分解した。1molの03は0,84molのNH3と反応し,0,45molの窒素を生成することより,本米反応がおもに次式によって起こっていると結論した。
303+2NH3=N2+302+3H2O
0.5ppm以下の低濃度の03を含有する空気を使って流通式反応系で実験を行なったところ,回分式反応系と同様,NHよるO,のいちじるしい分解が認められた。さらに,0,とNH,をそれぞれ0。5ppmずつ含有する空気に対して屋外で太陽光線を照射したところ,03は太陽光線を照射することによって10分間以内にほぼ完全に分解した。

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