日本化学会誌(化学と工業化学)
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チタンアルコキシド-有機アルミニウム化合物触媒系によるイソプレンの重合
中富 俊介
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1976 年 1976 巻 2 号 p. 290-295

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抄録

イソプレンの3,4-重合触媒の成分として使用されるチタンアルコキシド(Ti(OBu)4)を用い,これに各種の有機アルミニウム化合物を組み合わせた触媒系についてイソプレンの重合活性およびポリマーのミクロ構造を調べた。
その結果,ジエチルアルミニウムクロリド(AlEt2ClI)またはエチルアルミニウムセスキクロリド(AlEt1.5Cl1.5)と組み合わせた場合にのみcis-1,4含有量97%以上のポリマーが得られることが判明した。触媒系の組成および調製条件を検討したが,AlEt2Clを使用する系では重合活性が低いのに反して,AlEt1.5Cl1.5を使用する系ではきわめて重合活性が高かった。
ほかに,Ti(OBu)nCl4-n捕なるTi(OBu)4の塩素置換体を合成し,それらについても各種有機アルミニウム化合物と組み合わせた系で重合を行なった。
cis-1,4重合活性を示した数種の触媒系において,最適のAl/Tiモル比はそれぞれ異なっているが最適のCl/Tiモル比はどの系も9-12と一定した値を示した。

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