1976 年 1976 巻 8 号 p. 1285-1290
Alfin触媒による共役ジエンの重合のさいに,鎖状の1,4-ジエン(たとえば1,4-ヘキサジエン(HD))を添加すると,生成ポリマーの分子量が調節できることを見いだした。同系重合において,1,3-ジエン,1,5-ジエンなど類似構造物の添加では分子量の調節は行なわれず,またNi系などのAlfin触媒以外の重合系に1,4-ジエンを添加しても効果は認められなかった。
ブタジエン(BD)の重合においては,生成ポリマーの分子量は1,4-ジエンの添加量によって制御され,また重合速度はモノマー濃度の1次であった。1,4-ジエンとして,HDを用いる重合系ではHDは重合反応終了後もそのほとんどが系中に残存しており,溶媒とともに回収でき,再使用可能であった。
BDとイソプレン(IP)およびBDとスチレン(ST)各共重合ではそれぞれランダム共重合体が得られたが,これらはすぐれた物性(とくに耐摩耗性)を示した。
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