日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
1,4-ジエン存在下における共役ジエンのAlfin触媒重合および生成ポリマーの物性
伊良子 光一藤尾 亮太案西 司朗山本 慧介大西 章古川 淳二
著者情報
ジャーナル フリー

1976 年 1976 巻 8 号 p. 1285-1290

詳細
抄録

Alfin触媒による共役ジエンの重合のさいに,鎖状の1,4-ジエン(たとえば1,4-ヘキサジエン(HD))を添加すると,生成ポリマーの分子量が調節できることを見いだした。同系重合において,1,3-ジエン,1,5-ジエンなど類似構造物の添加では分子量の調節は行なわれず,またNi系などのAlfin触媒以外の重合系に1,4-ジエンを添加しても効果は認められなかった。
ブタジエン(BD)の重合においては,生成ポリマーの分子量は1,4-ジエンの添加量によって制御され,また重合速度はモノマー濃度の1次であった。1,4-ジエンとして,HDを用いる重合系ではHDは重合反応終了後もそのほとんどが系中に残存しており,溶媒とともに回収でき,再使用可能であった。
BDとイソプレン(IP)およびBDとスチレン(ST)各共重合ではそれぞれランダム共重合体が得られたが,これらはすぐれた物性(とくに耐摩耗性)を示した。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top