1976 年 1976 巻 8 号 p. 1291-1295
既報では,共役ジエンのAlfin触媒重合において,1,4-ジエン類が分子量調節葡として有効であることを報告したが,これらのいくつかの調節効果を,ブタジエンの重合における連鎖移動定数を測定することにより評価した。その結果,つぎの値を得た。
1,4-ジヒドロナフタレン(8.96×10-3)>1,4-ペンタジエン(2.32×10-3)>1,4-ヘキサジエン(1.77×10-3)>3-メチル-1,4-ペンタジエン(1.68×10-3)>アリルベンゼン(1.26×10-3)>1,4-シクロヘキサジエン(1.15×10-3)調節効果と,各化合物の活性水素の反慈性との関連をみるため,これらの炭化水素および類似構造物とAlfin触媒との反応度を,プロピレンの発生量を定量することにより測定した。
さらに,これらの化合物の酸性度を,Streitwieserの方法により算出した。その結果,分子量調節剤としてAlfin触媒との反応性はそれほど強くなく,Alfin触媒と反応した構造が,アリル基型であり,その点からジエン類の重合が再開始できること,酸性度として,PK値が約26~33程度の炭化水素が有効であることがわかった。
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