日本化学会誌(化学と工業化学)
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高速液体クロマトグラフーケイ光分光光度計連結装置による大気中の多環芳香族炭化水素の分析
白山 肇
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1977 年 1977 巻 1 号 p. 118-123

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抄録

高速液体クロマトグラフとケイ光分光光度計を連結した装置によって,大気中に含まれる多環芳香族炭化水素(PAH)の分析を簡単期つ迅速に行なうことが可能となった。ハイボリューム・エア・サンプラーによって捕集した粉じん中ゐPAHを真空昇華装置で抽出後,高速液体クロマトグラフーケイ光分光光度計連結装置に導入し,PAHの各成分を分取することなく同定・定量の各操作をケイ光分光光度計によって連続的に行なうものである。
高速液体クロマトグラフのカラム.として使用したゾルバックスODSの特性を把握するため,分離条件(移動相組成,カラム温度,カラム圧力)と保持時間,分離度との関係を20種の多環芳香族炭化水素の分離挙動および分離度などについて検討した。その結果,このカラムの理論段数はべソゾ[a]ピレンで25cmあたり5400段であり,従来用いられているパーマブェィズODSに比較して分離性能がきわめてすぐれていることが明らかになった。さらに溶離ピークの流れを一時停止しケィ光分光光度計検出器によるケィ光スペクトルの測定によって同定する方法を示した。

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