日本化学会誌(化学と工業化学)
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アミン存在下におけるテレフタル酸とエチレンオキシドとの皮応
鎌谷 博善
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1977 年 1977 巻 10 号 p. 1505-1511

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抄録

種々なアミンの存在下に,テレフタル酸(TPA)とエチレンオキシド(EO)とめ反応で得られる生成物と反応条件との関係について検討した。テトラヒドロフランもしくはアセトン溶媒中でトツエチルアミン,TPAおよびEOを反応させると,生成物は反応温度により異なり,,50℃では2-ヒド導キシエチルブトリエチルアンモニウム漂水素零テレフタラート[1],70℃では(2-ヒドロキシエチル)トジエ,チルァンモニウム,2-ヒドロキシエチルテレフタラート[2],90℃になるとビス(2-ヒドロキシエチル);テレフタラート[3]が好収率で得られた。
反応中間体の単離および速度論的検討から,この反応はアミン,EOおよびTPAからなる錯体形成を経て第四級アンモニウム認水素雲テレフタラート(MQT)が生じ,この第四級アンモニウムカルボン酸塩が触媒となってTPAのエステル化原応が進むことを明白にした。アミンとしてトリアルキルプミンを使用した場合には,MQTが容易に生成するので第二段階のエスデル化反応が律速になる。これに反し第-級アミン,第二級アミン,立体障害の大きいアミン,もしくは2-ヒドロキシエチル基を有するアミンを用いた場合には,第一段のMQTの生成過程が律速段階となるために,エステル化反応が遅くなる。

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