日本化学会誌(化学と工業化学)
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酸化タングステンーシリカ触媒によるオレフィンの不均化反応に対する四塩化炭素の添加効果
高橋 忠雄
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1977 年 1977 巻 10 号 p. 1524-1529

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抄録

WO3-Sio2触媒,流通反応装置によるオレフィンの反応に対して,少量のCqをまずパルスとして引きつづいて連続的に添加することによって,オレフィン不均化の転化率と選択率を飛躍的に改善し得る。1-ブテン,プロピレン,プ律ピレンインブチレンの混合物,およびtrans-2-ブテンとインブチレンの混合物の反応のいずれの場合にも,CCl4による不均化率と選択率の向上が認められた。1-ブテンの反応の場合,WO3-K20-Sio2-CCI4触媒によって,高い選択率でエチレンと3-ヘキセンが得られた。しかし,2-ブテンとインブチレンの共不均化反応では,K,0を含む触媒へのCCl4の添加は好結果を与えなかった。同-反応条件で,触媒量の多いほど添加効果が小さくなり,CCl4は触媒床の入口付近だけを効=果的に活性化すると考えられる。ECDガスクロマトグラフによる生成油の分析から,CCI4の分解が非常に速いこと,未知のCl化合物が生成することが認められた。

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