日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
ジベンゾフランのFriede1-Craftsベンゾイル化反応
毛海 敬島河 栄大島 好文
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 1977 巻 10 号 p. 1518-1523

詳細
抄録

ジベンゾフランのFriede1-Craftsベンゾイル化反応について研究した。ニトロベンゼン中,ジベンゾフラン,塩化ベンゾイル,塩化アルミニウムを等モル,15℃で1時間反応させると,反応率93.3%でベンゾイルジベンゾフランを得,それは1-ベンゾィルジベンゾフラン:O.6%,2-ベンゾィルジベンゾフラン:90.5,3-ベンゾイルジベンゾフラン:8.7%,4-ベンゾイルジベンゾフラン:0.2%の混合物であった。堪素化炭化水素溶媒中,または高温で反応させると3-ベンゾイルジベンゾフランの生成率が増加した。ジベンゾフラン,ベンゼンの競争的ベンゾイル化反応を行ない,ジベンゾフランの各位の部分速度因子(f1),f1:34.6,f2:4520,f3:71,f4:19.8を得た。塩化アルミニウムを大過剰に用いるとf1,f2,とくにf4が減少した。1-,4-位の異常に低い反応性はアシリウム錯体に対する9-位水素,5-位酸素のn-軌道の立体障害に起因すると考えた。ジベンゾフランのプロトン化における中聞体の全エネルギーをCNDO/2計算により求め,その位置反応性順を得た。それについて実験結果と比較し考察した。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top