1978 年 1978 巻 11 号 p. 1457-1461
水酸化マグネシウムの溶存シリカ吸着にともなう表面の性質の変化および表面生成物について調べた。シリカを吸着すると表面積がいちじるしく増加したが,これは微細細孔の生成に帰せられた。吸着により-Mg-O-Si-結合が生成する結果酸点が生じ,また吸着量が増加すると,全酸量(H<+3,3)も増加した。塩化アンモニウム溶液で吸着試料のバルクのMg(OH)2を溶かし出すことによって表面生成物を単離し,その性質をIRスペクトル,DTA,X線回折および化学分析によって調べた。シリカの吸着量は単分子層を形成するのに十分な量よりはるかに多いことがわかったが,シリカはすでに吸着したシリカ分子上にシロキサン結合で吸着するのではなく,水酸化マグネシウムの最表層のバルク側かあるいは第2層のMg原子と結合することが推測された。
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