1978 年 1978 巻 12 号 p. 1696-1705
ポリオレフィン/エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)組成物の分散形態を電子顕微鏡で観察し,少量成分のEVAはポリオレフィン中に粒子径1μ以下の微粒子として分散して良好な相溶性を有することを認めた。この事実から,アインタクチックポリプロピレン(IPP)に対し,染料とイオン結合あるいは水素結合形成能を有するコモノマーとの共重合によって得たエチレン共重合体を添加した組成物め溶融紡糸によって,易染性IPP繊維製造の可能性が推定された。
IPP/エチレン-含窒素コモノマー共重合体組成物の溶融紡糸によるIPP繊維の染色性改良を試みた結果,IPP/エチレン-2-(ジメチルアミノ)エ4ル=メタクリラート共重合体繊維は,酸性染料および含金属染料に易染性で,かつ,良好な染色堅ロウ度を有することを見いだした。また,酸化防止剤の酸化防止能と最高被占エネルギー準位の関係から,溶融紡糸プロセスに有効な2種の酸化防止剤を見いだした。
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