日本化学会誌(化学と工業化学)
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引き上げ法によるNd:Y3Al5O12単結晶育成におけるネオジムの実効偏析係数
白木 健一桑野 泰彦
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1978 年 1978 巻 7 号 p. 940-944

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抄録

引き上げ法によって育成したNdを含有するY3Al5O12(YAG)単結晶中のNdの含有量を知ることをおもな目的として,蛍光X線分析によりNdのYAG結晶中および原料融液中の濃度を測定し,また結晶中のNd濃度に対する光吸収係数を測定した。つづいて種々の濃度のNdを含有したYAG結晶6本を順次に育成し,この試料について,光吸収測定を行なってさきに求めた光吸収係数を用いNd濃度を求めた。同時に蛍光X線分析によって求めた結晶中および原料中Nd濃度の比を実効偏析係数として6本の結晶中のNd濃度を計算で求めた。
光吸収測定から求めたNd濃度と計算で求めたNd濃度は良好な一致を示し,用いた実効偏析係数値keff=0.21は,実験を行なった結晶中のNd濃度O.1~1.3atom%の範囲内では正しい値であると考えられる。

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