1978 年 1978 巻 7 号 p. 985-990
ベンズアミド誘導体の環炭素およびアミド基のカルボニル基の13CNMRにおける化学シフトの加成性を検討した。環炭素について,加成姓はきわめて精密に成立し,これによって,±0.5ppmよりも小さい誤差でこれらのシフト値を予測することができる。カルボニル炭素の場合には,第2および第3置換基の効果は,第1置換基の効果にくらべて減少している。置換基に対しパラ位にある炭素の化学シフト値とHammettσ値との相関は,加成則の精度ほどよく成立するものではない。アルキル基はいくぶん低磁場側に,またハロゲンは高磁場側にシフトさせる傾向がある。このため相関図には,±2ppmの幅をもった帯域が認められる。カルボニル炭素のシフト値と置換基のHammettσ値との相関も同様に±2ppmの領域の中に認められる。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。