日本化学会誌(化学と工業化学)
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テトラベンゾ[a,cd,j,lm]ペリレンの精製法
岩島 聰本多 等青木 淳治竹川 実
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1979 年 1979 巻 4 号 p. 443

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抄録
ペンゾアントロンから合成したテトラペンゾ[a,cd,j,lm]ペリレン(TBP)を高純度にするには,粗TBPを無水マレイン酸とクロラニルとともに無溶媒で煮沸後,活性炭-活性アルミナカラムを通す。つぎにジエチレングリコールと金属ナトリウムによる処理後,ふたたび活性炭-活性アルミナカラムを通す。さらに,ベンゼン中で煮沸後,不溶分をキシレンで再結晶することによって,インビオラントレンBとビオラントレンBの混入量が少なくとも10-7mol/mol以下の高純度TBPを得ることができる。
高純度TBP蒸着薄膜の蛍光極大位置は,室温では486nmで,520nmと560nm付近に肩が観測され,液体窒素温度では490~493nmと527nm付近に蛍光極大位置が観測された。また,高純度TBPの蒸着薄膜の室温での蛍光寿命は16.0~21.6nsであり,低純度の場合は8.9~26.4nsの蛍光寿命を示す。
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