日本化学会誌(化学と工業化学)
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11-アリールベンゾ[a]フルオレン誘導体のC(II)-アリール単結合の束縛回転
藤崎 静男藤本 稔藤井 紀希梅野 正行梶返 昭二
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1979 年 1979 巻 6 号 p. 739-742

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抄録

ベンゾ[a]フルオレノン[1]に種々の臭化アリールマグネシウムやアリールリチウムを作用させて11-アリールベンゾ[a]フルオレン-11-オール誘導体[2]を合成した。[2]は酔酸中ヨウ化水素酸で還元して11-アリールベンゾ[a]フルオレン誘導体[3]とした。つぎに11-(o-メチルフェニル)ベンゾ[a]フルオレン[3a]のC5P3-CSP2単結合の回転障壁をDNMRスペクトルから検討して11R,-sc(または11S+sc)→11R,+ac(または11S,-ac)の場合δG140℃=19.4kcal/mol,11R,+→11R,-scの場合δG140℃=19.7kcal/molの値を得た。さらに単離された11-(2-メチル-1-ナフチル)ベソゾ[a]フルオレン-11-オール[2d]の妙形から5ρ形への,また11-(2-メチル-1-ナフチル)ベンゾ[a]フルオレソ[3d]の11R,-50(または11S+sc)形から11R,+ac(または11S,-ac)形への異性化速度をNMRスペクトルの経時変化から求めてC5P3-CSP2単結合の回転の活性化パラメーターを求めた([2d]ap→[2d]sp:δG50℃=24.6kcal/mol,[3d]11R,-sc(または[3d]11S,+sc)の→[3d]11R,+ac(または,[3d]11S,-ac):δG170℃=32.8kcal/mol)。

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