日本化学会誌(化学と工業化学)
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フェノ-ル性セスキテルペン,エルビロ-ルの合成およびナフタレン系化合物への変換12
田中 寿-安達 和郎
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1979 年 1979 巻 6 号 p. 758-764

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抄録

芳香族セスキテルペン化合物のエルビロ-ルを合成し,ナフタレン系化合物への変換を行なった。
ρ-メチルアニソ-ルから合成した4-(2-メトキシ-5-メチルベンゾィル)酪酸[1]はGrignard反応を経て,5-(2-メトキシ-5-メチルフェニル)ヘキサン酸メチルエステル[3b]に導いた。[3b]のGrignard反応生成物をギ酸で脱水して,2-メチル-6-2-メトキシ-5-メチルフェニル-2-ヘプテン[5b]とした。[5b]の三臭化ホウ素による脱メチル化で,フェノ-ル性セスキテルペンのエルビロ-ル2-(1,5-ジメチル-4-ヘキセニル)-4-メチルフェノ-ル[5a]を合成した。[5b]と酸触媒との反応についで検討し,臭化水素酸との反応で生じた4,5-ジメチル-8-イソプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-1-ナフト-ル[9a]はPd-Cと加熱すると,脱水素異性化して,3,4-ジヒドロ-4,5-ジメチル-8-イソプロピル-1(2H)-ナフタレノン[10b]となることを見いだした。[10b]は還元後,硫黄とともに加熱すると1,8-ジメチル-4-イソプロピルナフタレン[8b]を生成した。[8b]はρ-シメンから[10b]を経て別途合成し,確認した。また,1,5-ジメチル+イソプロピルナフタレン[8a]および1,5,8-トリメチル-4-イソプロピルナフタレン[8c]を合成した。

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