日本化学会誌(化学と工業化学)
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コバルト含有酸化鉄微粒子におけるコバルトの被着状態
角谷 賢二渡谷 誠治端山 文忠直野 博光松本 恒隆
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1979 年 1979 巻 8 号 p. 1033-1038

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抄録

本研究では,添加法I(エピタキシアル成長法)および添加法II(水熱変性法)により作成したコバルト含有酸化鉄のコバルトの被着状態および磁気特性(保磁力)を検討し,つぎの諸結果を得た。添加法Iではγ一Fe2O3粒子表面に均一にコバルトを含むスピネル型の結晶が結晶成長することが形態的に確認されたが,添加法Iではコバルト含有量が増加しても形態的な変化は認められなかった。添加法Iの保磁力はコバルト含有量19.2wt%で1137Oe,添加法IIの保磁力はコバルト含有量13.4wt%で1690Oeまでほぼ直線的に増加した。また,保磁力は同一コバルト含有量では添潴法IIの方が添加法Iに比較して高かった。さらに,添加法Iの粒子表面に結晶成長したコバルトは熱処理により粒子内部に固溶し,その保磁力は添加法IIとほぼ同一レベルまで増加した。

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© The Chemical Society of Japan
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