1979 年 1979 巻 8 号 p. 1071-1078
2-ピリドソと数種のN-置換マレイミドとの熱反応で,Michael(M)反応生成物およびDiels-Alder(DA)生成物とともにMichaelおよびDiels-Alder(MDA)反応生成物を得た。N-メチル-2-ピリドンを用いた反応では多くのendo-およびexo-DA付加物が得られた。MDA生成物はM反応後にDA反応が起こって生成していることがわかった。また速度論的解析を行ない,つぎのことを知った。マレイミドのN-位の電子求引性のより大きな置換基は,DA反応よりもM反応をより加速するし,exo体とendo体の生成比を高める。DA反応の活性化エネルギーは,通常の逆Diels-Alder反応のそれに近い24~31kcal/molであり,極性溶媒や酢酸を用いたとき大きくなった。これらの異常な現象を,本反応の独特な双極子相互作用で説明した。
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