日本化学会誌(化学と工業化学)
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アンモニアガスで活性化した木炭およびそのフッ素化物への水蒸気吸着
堀田 紀好橋本 康裕渡辺 信淳
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1979 年 1979 巻 8 号 p. 969-973

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抄録

フッ化黒鉛の低表面エネルギー性に着目し,これを活性炭を原料とする酸素電極のぬれ防止に利用することを目的として,アンモニアガスで活性化した木炭およびそのフッ素化生成物の水蒸気吸着等温線を測定し,試料の細孔構造,表面の性質などの観点から,活性炭のフッ素化過程にともなうはっ水性の変化について検討した。活性炭およびその低フッ素化物試料の水蒸気吸着等温線は典型的なS字型曲線で,試料中のミクロ孔が水蒸気の吸着に対して重要な役割を演じていることを知った。また,低圧側での吸着量はいずれも相対圧に比例し,たがいに類似の吸着挙動を示したが,高圧側では吸着容積,吸着熱などにいちじるしい相違を認めた。一方,高フッ素化物試料の吸着量は全測定範囲にわたって微量で,フッ化黒鉛の低表面エネルギーによる強いはっ水性を示した。以上の結果は活性炭を部分フッ素化することにより,活性炭を原料とする酸素電極のぬれ特性の改善に役立つものと判断される。

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