日本化学会誌(化学と工業化学)
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イソオキサゾロ[3,4-d]ピリミジン類およびイソチアゾロ[5,4-d]ピリミジン類の合成と鎮痛作用
広田 耕作浅尾 哲次藤岡 孝文千田 重男
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1981 年 1981 巻 5 号 p. 721-725

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抄録

標題化合物の新規合成法の開発ならびにそれらの薬理作用について検討した。
イソオキサゾロ[3,4-d]ピリミジン類を6-クロロ-5-ホルミルウラシル類[1]と2当量のヒドロキシルアミンとの反応による新しい方法により合成した。さらに,この反応の中間体が[1]のオキジム[2]であることを明らかにした。また[2]にヒドラジンを反応させて,ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンを得た。一方,6-クロロ-5-シアノウラシルとヒドロキシルアミンとの反応では3-アミノイソオキサゾロ[3,4-4]ピリミジンが生成した。イソチアゾロ[5,4-d]ピリミジンの簡便な合成法とし,6-メルカプトウラシルとN,N-ジメチルホルムアミド-塩化ホスホリルとにより得られるVilsmeier中間体とヒドロキシルアミンとの反応,および[2]と硫化水素ナトリウムとの反応などによる二つの方法を見いだした。ここで合成されたイソオキサゾロおよびイソチアゾロ縮合ピレミジン類の薬理試験では,とくに5,7-ジメチルイソオキサゾロ[3,4-d]ピリミジン-4,6(5H,7H)-ジオンおよび5,7-ジメチルイソチアゾロ[5,4-4]ピリミジン-4,6(5H,7H)-ジオンが強い鎮痛作用を示した。

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