日本化学会誌(化学と工業化学)
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ステビア葉の甘味ジテルペン配糖体レバウディオシド-A,-D,-Eおよび関連配糖体の合成ならびに甘味と化学構造との相関
笠井 良次金田 宣田中 治山崎 和男塚本 征則森本 一義岡田 茂孝北畑 寿美雄古州 秀子
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1981 年 1981 巻 5 号 p. 726-735

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抄録

Stevia rebudianのa 新葉強骨味配糖体,レバウディオシド-A[3],-D[5],-E[6]の合成を目的として,まず共通アグリコンであるステビオール[2]およびその13-O-配糖体の19-カルボキシル基のグルコシル化について検討した。このカルボキシル基に空間的に近い13-位の官能基の存在のため通常のエステル配糖体合成法では良好な結果は得られなかったが,β-グルコシルエステル合成にはオルトエステル法が,β-グルコビオシルエステルの合成には対麻するアセトブロモ糖を炭酸銀-セライト存在下反応させる方法が好収量で目的物を与えることを見いだした。
これらの方法を用いて,[1]を酵素加水分解ついでアルカリ加水分解して得られる[15]をベンジリデン誘導体としてからグルコシル化し,好収量で[3]を得,また,[1]から得られる[18]のアセタートから[6]を,[3]から得られる[8]のアセタートから[5]を蘇収量で得ることができた。また,酵素的糖転移反応を用いて[1]および[18]の糖部に1,4-α-D-グルコースが転移した一連の配糖体をも合成した。
以上の多数の天然および合成配糖体ならびにStevia rebudiana葉,S.ovata槻如葉から得られたpaniculosideI~V[27~31]について骨味と構造との関係を検討した。この系統の配糖体の甘味の発現には19一位のCOO一糖またはCOOHと13一位の-O-糖またはOHの両者の存在が必要であること,16(17)の二重結合の存在も甘味の強さに大きな影響をもつこと,今回の化合物のうちでは,13-位に枝わかれ糖鎖をもつ[3],[5]の甘味がもっとも強くかつ良質であることなどが明らかにされた。

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