1982 年 1982 巻 1 号 p. 111-114
N-(フェニルスルホニル)サッカリン[1]とアミン(アニリン[2a], ベンジルアミン[2b], ブチルアミン[2c]) の反応について検討した。[1] と [2a] ~ [2c]を室温下に種々の溶媒中で反応させると, 開環付加体の o-(置換カルバモイル)-N-(フェニルスルホニル)ベンゼンスルホンアミド [3a]~[3c]が生成した。[3a]を融点付近で加熱処理すると, ベンゼンスルホン酸の脱離をともなって 3-アニリノ-1, 2-ベンゾイソチアゾール=1, 1-ジオキシド[4a]が高収率で生成した。一方, [3b]と[3c]を加熱処理すると, 低収率で 3-(置換アミノ)-1,2-ベンゾイソチアゾール=1, 1-ジオキシド ([4b]と[4c])が得られた。[3a]~[3c]を塩化チオニルと加熱反応させると, いずれからも高収率で[4a]~[4c]が生成した。これらの反応の可能な反応経路についても考察を加えた。
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