1982 年 1982 巻 7 号 p. 1136-1140
種々の金属硝酸塩を白金基体上500ないし1150℃ で熱分解することによってスピネル型フェライト薄膜電極を作成し,それらの物理。化学的性質ならびに電気化学的性質を検討した。その結果,電極の酸素過電圧と磁気的性質の間に相関性があることを見いだした。すなわち,Pt/CoFe2O4電極以外の検討したすべての電極の1mA・cm-2における酸素過電圧は室温での飽和磁化および有効Bohr磁子数の増大につれてほぼ直線的に低下した。酸素発生反応の解析により,Pt/CoFe204電極では第2段階すなわちOH-イオンと・OHラジカルとの化学反応が律速であり,それ以外の電極では第1段階すなわち・OHラジカルを生成するOH-イオンの放電反応が律速であることが明らかとなった。そこで,上詑の酸素過電圧と磁気的牲質の関係は酸素発生反応の律速段階の差異ならびに反応中間体である・OHラジカルの安定性の差異に基づいて説明された。
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