1982 年 1982 巻 7 号 p. 1171-1174
種々の有機溶媒中におけるニッケル(II)-ジチゾン錯体の単座配位(ピリジン,イソキノリンおよびγ-ピコリン)および二座配位(2,2'-ビピリジル)の複素環窒素塩基による1:1付加錯体生成反応の平衡定数(IogKad)を測定した。単座配位子系では,その10gKad値は各塩基の塩基性の増大する順序にしたがった(ピリジン< イソキノリン<γ-ピコリン)。また,種々の溶媒中で得られた単座配位子系の10gK認値の間には,自由エネルギーの直線関係(LFER)が成立したが,2,2'-ピピリジル系のそれは単座配位子系とはまったく異なる挙動を示した。2,2'-ビピリジル系のlogKad値は溶媒のミクロな極性パラメーターであるEr値とよい相関を示したが,単座配位子系のlogKad値はほとんど変化しなかった。
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