1982 年 1982 巻 7 号 p. 1175-1178
ジアルキルジチオカルバミド酸ナトリウム類のポーラログラムの酸化波の半波電位を,支持電解質にBritton-Robinson緩衡液,参照電極にカロメル電極を用いて求め,それらのアルキル基の相違によって半波電位がどのように影響されるかを検討した。その結果,メチル-0.37V,エチル-0.41V,プロピル-0.45V,イソプロピル-0.48V,ブチル-0.53V,イソブチル-0.50Vの半波電倖を得た。アルキル基が大きくなるにしたがって半波電位はより負の値を示した。これらの半波電位の値を享麟俸のPKaまたはイオン強度0.01で得られているPKcに対しプロットすると直鎖アルキル系列では直線関係が得られた。
これは,アルキル基が大きくなるにしたがって,S原子に電子が受容され,半波電位をより負め値にし,pKa値もより大きくしている。このことはIRの1500cm扁三付近の吸収帯(vo-N)が低波数側に移動し,1000cm-1付近の吸収帯(vc-s)が高波数側へ移動していることと一致している。
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