日本化学会誌(化学と工業化学)
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N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アルキルアミンオキシドと二,三の関連化合物の合成と物理化学的性質および抗微生物性
金谷 冨士雄根来 健二高石 日出男
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1982 年 1982 巻 9 号 p. 1538-1545

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抄録

一連の.N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アルキルアミンオキシド〔-〕(アルキル基:n-C8H17,n-C10H21,n-C12H25,n-C14H29,n-C16H33)と比較物質N,N-ジメチルドデシルアミンオキシド〔2〕およびドデシルピス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム=ブロミド〔3〕を合成した。アミンオキシド〔1〕は潮解性を有する低融点の結晶性物質で,水とエタノールに溶け,ベンゼン,エーテル,四塩化炭素など極性の小さい溶媒に難溶であった。
水溶液中でのpKa値は2.7~4.5の範囲にあり,CMC値の小さいものほどpKa値も小さくなった。水溶液中での表面張力と電気伝導度の測定からCMCを決定し,さらに起泡力,水への流動パラフィンの乳化,油溶性色素OrangeOTの水への可溶化試験を行なった。その結果,ドデシル体〔1〕(アルキル=n-C12H25,C12-AOと略記)とテトラデシル体〔1〕(アルキル=n-C14H29,C14AOと略記)はドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムあるいは硫酸ドデシルナトリウムと同程度またはそれに優る非イオン界面活性荊物質であることがわかった。また,アミンオキシド〔1〕と〔2〕は抗細菌性には劣ったが防かび性にすぐれ,とくにC14-AOと第四級アンモニウム塩〔3〕はペンタクロロフェノールに匹敵する防かび力を示した。

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