日本化学会誌(化学と工業化学)
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N-(フルオロアルキル)アニリン化合物の合成
山中 寛城桑原 正樹小森 正博大谷 益央加瀬 公一郎福西 興至野村 元昭
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1983 年 1983 巻 1 号 p. 112-117

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抄録
N-(フルオロアルキル)アニリン化合物を合成するために,種々のフルオロアルキル=アレーン-およびメタγスルポナートとアニリンとの反応について検討した。溶媒効果の検討の結果,用いた極難溶媒の中ではスルホランがこの反応にはもっとも適していた。無溶媒中では得られなかったN-(α,α,ω-トリヒドロペルフルオロアルキル)アニリン(〔8b〕や〔8c〕)もスルホラン中の反応では生成した。フルオロアルキル=o-ニトロベンゼンスルポナートは他の相当するアレーンスルポナートにくらべてアニリンに対して非常に高い反応性を有し,N-フルオロアルキル化剤として非常にすぐれていることが示された。N-アルキルアニリン化合物はフルオロアルキル=アレーンスルポナートと反応しN-アルキルN-(フルオロアルキル)アニリンのほかにアルキル基の脱離したN-(フルオロアルキル)アニリン〔8a〕とアルキル(エチル)基がベンゼン環のパラ位に転位した化合物を与えた。N-(ヒドロキシエチル)アニリンとブルオロアルキル=o-ニトロベンゼンスルホナートとの反応ではN-ヒドロキシエチル-N-(フルオロアルキル)アニリン化合物が良好な収率で得られた。
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