日本化学会誌(化学と工業化学)
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ホウ素および炭素を焼結助剤に用いる炭化ケイ素超微粉体の焼結
宮地 賢司岡部 安三北條 純一加藤 昭夫
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1983 年 1983 巻 1 号 p. 28-33

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抄録
3種の気相反応系,(CH3)4Si系(1200-1300℃),SiH4-CH4系(1400℃)およびCH3SiCl3系(プラズマ法)による平均粒径0.01-0.05μmのβ-SiC微粉体の焼結性をホウ素および炭素の存在下,1400-2050℃で比較するとともに,粒成長に対する添加剤の効果を明らかにしてち密化と粒成長との関係を検討した。
(1)SiH4-CH4系の中空粒子からなるSic粉体を除けば,Sic粉体の合成反応系による焼結性の差は小さく,ホウ素および炭素共存下,2050℃ での常圧焼結で相対密度90%以上にち密化できる。原料SiC粉体の結晶性の影響は認められない。
(2)焼結助剤のホウ素および炭素はSic粒子の粒成長を抑制する。その効果はホウ素と炭素を同時添加したとき大きく,とくに両助剤の同時添加は昇温過程での粒成長を抑制する。この昇温過程での粒成長の抑制が焼結助剤のち密化促進作用の一つの遠因であることを確認した。
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