1985 年 1985 巻 3 号 p. 317-323
アルキル亜鉛およびアルキルアルミニウム化合物とケトンの反応において,アルキル置換基の種類によって反応形式がどのように変化するかを明らかにするために,ジエチル亜鉛および 3 種類のトリアルキルアルミニウムと 9 種類のケトンとの反応を検討した。ジエチル亜鉛は 2-アルカノンや環状ケトンと 90℃ 以上で反応しケトンの縮合二量体である α,β-不飽和ケトンを収率よく与えた。トリメチルアルミニウムは 0.5mol 当量までの 2-アルカノンに対しては付加反応するが,それ以上のケトンに対しては縮合反応を起こす。トリエチルアルミニウムは 30℃ で当モルのケトンと付加,還元またはエノール化反庵を行なうが,置換基の種類によってその割合が異なる。トリイソプチルアルミニウムは当モルのケトンに対しては還元反応を行なうが,さらにケトンを加えると縮合反応のみが進行する。 α,β-不飽和ケトンは以上いずれの系でも長時間反応を行なうと β,γ-不飽和ケトンへ異性化した。
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