1985 年 1985 巻 9 号 p. 1740-1744
界面活性剤を含む水溶液中,窒素雰囲気下でいくつかの2価および3価の鉄塩ならびに鉄錯体がメタクリル酸メチル(MMA)の重合開始することを見いだした。このうちの硫酸鉄(II)アンモニウム(モール塩)によるMMAの重合反応をおもに検討した。非イオン性のTween系,Brij 35およびTriton X 405が重合反応に有効な界面活性剤であった。2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジルの添加により重合反応が禁止され,スチレンとMMAとの共重合反応の共重合組成曲線が通常のラジカル共重合反応のものと一致した。これらの結果にもとついて,MMA重合反応はラジカル機構で進むと考えられる。塩化鉄(II)と硫酸鉄(II)によるMMA重合反応も同じ機構で進行する。
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