銀または活性炭粉末をポリ(テトラフルオロエチレン)で結着した多孔質ガス拡散電極を作製し,その酸素電極としての性能(限界電流を尺度として)を電極触媒層の厚さを変えて調べた。限界電流はある一定の厚さまでは厚さの増大につれて直線的に増大するが,その厚さを越えると広い厚さ領域にわたってほぼ一定値を示した.このことから触媒層中に一定の幅をもつ反応帯の存在が示唆された。反応帯の位置を確認するため,液側とガス側にそれぞれ活性炭層および銀層を重ね合わせた多重層電極を作製し,その分極特性と,活性炭または銀単一層からなる電極の特性を照合した。その結果,反応帯は液側界面に接して存在し,その幅は活性炭電極で約0.2mm,銀電極では約0.1mmであると推定された。触媒層がこの反応帯の幅以上に厚くなるとガス拡散抵抗が増し,性能に悪い影響を与えることがわかった。
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