日本化学会誌(化学と工業化学)
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縮合多環状1, 3-ジアルキル-1, 3, 5-トリアジン-2, 4(1 H, 3 H)-ジオン類のEIおよびFAB質量スペクトル EIフラグメンテーションにおよぼす構造効果とFAB質量スペクトル定量測定の応用
沢田 正実山田 等古川 喜朗張 中福田 房子田中 高紀高井 嘉雄花房 昭静三角 荘一
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1986 年 1986 巻 4 号 p. 560-568

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抄録

4-キノロンや4-キナゾリノン類1分子と種々の第一級および第二級アルキルイソシアナート2分子とからなるトリアジンジオン系環状化合物(TADO)類のEI質量スペクトルを低分解能, 高分解能, およびリンクドスキャン測定で検討した。その結果, フラグメンテーション初期段階のトリアジンジオン環開裂反応, すなわちアルキルイソシアナート脱離過程におよぼす特徴的なアザ置換の効果, アルキル置換基の効果, および脱水素による構造変化の効果が見いだされた。それぞれの置換基の導入などにより, 基準型の環状化合物[1]では重要でなかった分解様式が重要になり, EI質量スペクトルに変化を与えると結論された。TADO類のFAB質量スペクトルではプロトン化分子イオンピークが明瞭に観測された。また, FAB質量スペクトル定量測定法を用いて熱不安定化合物[8]のDMF溶液中の熱分解反応が追跡され, 一次反応速度定数が求められた。

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