日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
窒素原子を含むビス(クラウンエーテル)のアルカリ金属イオン選択性電極への応用
木村 恵一大石 英樹坂本 英文庄野 利之
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 1987 巻 3 号 p. 277-282

詳細
抄録

窒素原子を含むビス(クラウンエーテル)誘導体〔1a〕,〔1b〕,〔2〕および単環性モノアザクラウンエーテル〔3a〕,〔3b〕 をアルカリ金属イオン選択性電極のニュートラルキャリヤーとして用い,電極の応答挙動およびイオン選択性について検討した。いずれのイオン選択性電極においても電極応答は測定溶液のpH値に依存し,高pH領域においてビス(モノアザクラウンエーテル)誘導体〔1a〕,〔1b〕を用いる電極は広いイオン活量範囲でNernst応答を示した。ビス(モノアザ-12-クラウン-4)誘導体〔1a〕およびビス(モノアザ-15-クラウン-5)誘導体〔1b〕を用いるイオン選択性電極は,それぞれ優れたナトリウムおよびカリウムイオン選択性を示した。また,これらのビス(モノアザクラウンエーテル)は対応する単環牲モノアザクラウンエーテルよりもイオン選択性電極のニュートラルキャリヤーとして優れている。〔1a〕を用いるナトリウムイオン選択性電極について電極膜条件を詳しく検討した結果,膜溶媒の種類,ニュートラルキャリヤー濃度および脂溶性塩の有無によってイオン選択性は大きな影響を受けないことが判明した。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top