日本化学会誌(化学と工業化学)
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バイオアフィニティーセンサーの分子認識部位設計およびそのキャラクタリゼーション
相澤 益男碇山 義人
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1987 年 1987 巻 3 号 p. 463-471

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抄録

バイオアフィニティーの低い分子複合体レセプターと酵素増幅作用を利用したバイオアフィニティーセンサーを考案し,ビオチン(ビタミンH),チロキシン(T4),あるいはインスリンなどの生理学的,生医学的に重要な物質の測定を行なった。バイオアフィニティーセンサーの分子認識レセプターは,heterologous recognitionと homologous recognitionに分類され,heterologous recognition型のバイオアフィニティーセンサーには,膜結合測定対象アナログ物質と酵素標識結合タンパク質または抗体との分子複合体レセプターが利用されている。一方,homologous recognition型にはアナログ物質に代わって測定対象物質そのものが用いられる。ビオチンは,2-(4-hydroxyphenylazo)benzoic acrd (HABA)またはリボ酸をアナログ物質とし,アビジンを結合タンパク質として用いたheterologous recognitin法では,電流測定によって10-9~10-7g.ml-1の濃度範囲で測定できる。homologous recognition法で,チロキシン(T4)の測定を10-8~10-5g.ml-1の濃度範囲で行なうことができる。インスリンはオプトエレクトロニクス法で10-8~10-6g.ml-1の濃度範囲の測定が可能である。heterologous,homologous recognitionの両法を適用することができる。

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