日本化学会誌(化学と工業化学)
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モリブデン(V)複核アクアイオンとヌクレオチドとの水溶液内相互作用
岩田 竜一永澤 明佐々木 陽一
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1988 年 1988 巻 4 号 p. 604-610

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抄録

モリブデン(V)複核アクアイオン[Mo2v(μ-O)2(O)2(H2O)6]2+(2.5×10-3mol・dm-3)とヌクレオチド(以下Lと略記する,2.5×10-2mo1・dm-3)とは水溶液中(1=1.Omol・dm-3(NaClO4),21~25℃)で相互作用し,Mo:Lが2:1の組成の錯体をpH1~11の広い範囲で形成することが,300~700nmの紫外可視吸収(UV-vis)および円二色性(CD)スペクトルの形状および強度のpH依存性を種々のLを用いて相互に比較することによりわかった。Lはアデノシン-5'-一リン酸,ニリン酸,三リン酸(それぞれAMP,ADP,ATP),グアノシン-5'-三リン酸(GTP),イノシン-5'-三リン酸(ITP)・およびシチジン-5'-三リン酸(CTP)・リン酸基数や塩基の種類の影響をみるため,アデノシン(Ado),グアノシン(Guo),2'-デオキシアデノシンおよび-グアノシン(d-Adeおよびd-Guo),リボース-5-一リン酸(R-MP)についても同様に調べ,相互作用部位を推定した。

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