1989 年 1989 巻 12 号 p. 1965-1971
光学活牲ホスフィン配位子を含む遷移金属錯体を触媒とする不斉合成の研究を行った。光学活性フェロセニルポスフィンは,その側鎖上に各種の官能藩が導入できる独特の構造をしており,以下に示す触媒的不斉合成で,それぞれの触媒反応,反応基質に適合した官能基を有するフェ群セニルホスフィンを用いることにより,高い立体選択性を示した。1)金触媒不斉アルドール反応-β-ヒドロキシ-α-アミノ酸の不斉合成。2)ロジウム触媒による三置換アクリル酸の不斉水素化。3)パラジウム触媒アリル位不斉アミノ化およびアルキル化。4)パラジウム触媒不斉ヒドロシリル化一アリルシランの不斉合成。5)ニッケル触媒クロスヵヅプリングによる軸不斉ビナフチルの不斉合成。また,パラジウム触媒を用いたα,β一不飽和ケトンの不斉ジシリル化によるβ一ヒドロキシケトンの不斉合成やロジウム触媒によるスチレン誘導体の不斉ヒドロホウ素化など薪しいタイプの触媒的不斉合成を開発した。
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