日本化学会誌(化学と工業化学)
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4,5-ニ置換フルオレン誘導体の合成と反応
梶返 昭二岡本 賢治内田 修藤崎 静男西研 晶子
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1989 年 1989 巻 12 号 p. 2046-2051

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抄録

フルオレンを出発原料として数段階を経て4-フルオレン酢酸〔6〕を得た。〔6〕の酸塩化物〔7〕にAIClsを作用させると,4H-シクロペンタ[def]フェナントレン-8-オール〔8〕および4H-シクロペンタ[def]フェナントレン-8,9-ジオン〔9〕が得られた。〔8〕と〔9〕の混合物を酢酸中で過酸化水素により酸化して4,5-フルオレンジカルボン酸〔10〕を得た。〔10〕のジクロリド〔11〕はアルコルの作用によりモノエステル化された5-アルコキシカルボニル-4-フルオレンカルボン酸〔12〕を,また,〔11〕はアルキルアミンの作用では5-(N一アルキルカルパモイル)-4-フルオレンカルボシ酸〔13〕を与えた・化合物〔13〕は無水酢酸中では硫酸より容易に脱水環化してN-置換4,5-フルオレンジカ〔14〕を与えた。一方,〔10〕と尿素との反応で4,5-フルオレンジルボキシミド〔14a〕ルボキシミドを,ヒドロキシルアミ.ン塩酸塩との反応では-COONHCO-単位を含む縮環生成物の環状ヒドロキサム酸誘導体〔16〕をそれぞれ与えた。さらに,5-メトキシカルボニル-4-フルオレンカルボン酸〔12a〕とLiAlH4との反応でラクトン〔15〕を与えた。

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